初めてのポルシェの思いで。

先程、赤坂サカス近くの交差点で、ブガッティ・ヴェイロンを見ました。
すかさずカメラを取り出して、後ろ姿を写真に収めたのですが、
勝手にブログにアップしてよいものか、、、ナンバーを隠しても、車体で
個人を特定出来る可能性があるので、やめたほうがよさそうですね。

などと、すっかりシチーボーイ（ふるっ）のふりをしている私ですが、
実は小さい頃から父の仕事の都合で転勤が多く、国内で住んだ場所は
両手、両足の指を足してもたりません。
今となってはいい経験だと思えますが、当時はつらかった。とくに
親しい友と別れるのがなにより悲しかったのです。

そして、その土地ごとに想い出はいろいろとあるのですが、、、。

３歳から暮らしていた千葉県の姉ケ崎を９歳で離れ、埼玉県の大宮市に
引っ越しました。

転勤したばかりでこれといった友人もいなかった頃、近くの大通り
（新大宮バイパス）に、家にあったカメラを持って出かけていました。



当時、スーパーカーブームではありましたが、トラック野郎ブームでも
ありまして、私はどちらかと言うとトラック野郎派でした。

バイパスの中央分離帯でひとり、ゴテゴテに飾ったトラックを撮り続け
るわたし。（今考えると、とても危険です＾＾；）
トラックの運転手達は、カメラを向ける私に陽気に手を振ってくれた
ものです。友達のいない寂しさと、別れてきた友達を想う切なさを
ずいぶんとやわらげてくれました。

あるとき、そのバイパス沿いのガソリンスタンドで、生まれて
はじめてポルシェを見ました。

漫画と写真とでしか見た事のないポルシェが、２台とまっていたのです。
その時に写真を撮ればよかったのですが、忘れていたのか、フィルムが
もう無かったのか、、、、、。

私は千葉県の時の友達に手紙を書きました。
大宮はすごいところだ、ガソリンスタンドにポルシェがあるんだ、と。

すると、友人からの返事に、ポルシェの写真が欲しい、と。
スーパーカーブームでしたから、雑誌などから写真を手に入れる事は出来
ましたが、「生写真」となると、滅多に手に入らない。

私はそれからしばらく、そのガソリンスタンドに通いました。
でも、そのポルシェを見る事はその後、ありませんでした。

数ヶ月が経って、友達もたくさん出来、私はバイパスに行く事も
なくなっていました。

そんなとき、千葉の友人からまた手紙が届いたのです。

写真はまだか。早くみたい。

９歳の子供である私が見ても汚いと思う字でそうしたためてありました。
勉強ができるとは言い難い、服はいつも泥だらけで、手紙なんかとはおお
よそ縁がないであろう友人。。。
きっと、ほかの友達に自慢したのでしょう。

俺、ポルシェの写真持ってるんだぜ。

そして、きっと嘘つき呼ばわりされているのだろう。本当なら早く見せて
みろと言われているのだろう。
そう思って、何度か行ってみたものの、写真は撮れませんでした。

その友人とはそれっきりです。
新しい生活に追われ、気にしながらも徐々に忘れてしまったのです。
その後も私は住むところが変わり、そうこうしているうちに、連絡をとる術すら
失ってしまいました。

３３年前の話、彼はいまでもこのことを憶えているだろうか。。。

今年、ボクスターを購入してからふとした時、そのことを思いだします。